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鯛漁の歴史
 房総での鯛漁の歴史は古く,縄文時代の貝塚からたくさんの鯛の骨が出土していますから,おそらく釣り漁によって捕獲していたものと思います。
 江戸時代になると、関西の漁師から網による捕獲方法が伝わりました。それがタイ桂網漁です。
 江戸時代前期の17世紀以来、昭和39年まで富津市萩生や金谷周辺の岩礁性の海域で行われていました。この漁法は、カツラと呼ばれる綱でタイを網に追い込む点に特徴があります。桂は長さ100〜200m前後の木綿の綱で、40〜70p間隔でブリキと呼ばれるエゾマツの木片が結びつけられています。このカツラを、二艘のブリ船で海中を曳き、海中で揺れるブリキに驚いたタイをマチ船とアミ船が張る敷き網に追い込み、タイ追い込まれた所で網を引き揚げ捕獲しました。タイを追い込むカツラは、岩に絡まないようにダイセン(代船)二艘が見張り、カツラの後ろからは、その動きを指示する経験豊かな指揮者が乗船する指揮船が続きました。
 新鮮なタイを効率的に多数漁獲できたタイ桂網は、江戸時代、世界一の大都市へと発展した江戸へと鮮魚を供給してきた内房漁業を象徴する漁法でした。
 タイ桂網漁は、組織的な漁法であったため他の地域では、縄文時代以来の一本釣りや延縄、地曳網、定置網でタイを捕獲していました。

 釣り漁も漁場によって、釣り方、仕掛けは様々ですが、特徴的な「ビシマ釣り」を紹介しましょう。
 マダイのビシマ釣りは、潮流の早い深場に生息するタイを釣り上げる方法です。
 館山の州崎沖では、6ノット以上にもなる潮の流れがあり、いかに垂直に釣り針を落とせるかが勝負となります。そこで、みち糸にビシという噛潰しの鉛のおもりを5cm〜10cm間隔で100m以上装着します。その先にカブラという鉛のおもりにテンヤ針を装着し、添え針も付けます。餌は、サルエビやクルマエビを使います。この仕掛けを船上から手釣りでしゃくりながら、タイの食い付いたところを釣り上げるのです。水深100m以上の海の中は、おそらく光の届かない闇の世界です。タイは、餌が見えるとは思えませんが、エビの目が発光するか、においで感知するかしているのでしょう。

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