第21回 亜細亜混乱
車で外房128号線を鴨川から千倉、白浜へと向かうと、その間にある和田町は数分で通り過ぎてしまう。道沿いに、くじら専門店や花屋と並んで「エイジア・パニック」というエスニック・ファッション&小物の店がある。「ロックバンドのエイジアと、昔六本木で遊んでいた頃にかよったガスパニックという外人が集まるパブがあって、その両方からとって付けた名前です」と店主の安田よし子さんはいう。 仙台の美術系の大学を出て東京へ。もともと洋服が好きで、ファッション関係のディスプレイや展示会の飾りつけなどを担当するデコレーターの仕事や、原宿・竹下通りのアンテナショップの販売員をやったり。当時竹下通りに10年いるとこわれる、といわれたバブリィ・エイジを経て、突然といっても39歳で、南総の花嫁になった。ご主人克己さんとは、ロック・ライブで席がご近所、意気投合したのが縁という。「房州の男は、 さかな好きの安田さんが、地元の人しかしらない居酒屋を教えてくれた。「今日は何あんの?」という感じで魚の小鉢が出てくる店だ。一つは、和田漁港・くじら解体場の先、地魚、くじらのうまいS。一つは40年、ママがやってるヤキトリ、さかなの店、白浜のスーパー「おどや」のトナリのH。
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