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鴨川シーワールド

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ひとつの水槽で複数種類のクラゲを展示しアマモ場の小宇宙を再現

「藻場にすむクラゲ」展示公開

2016年5月31日
 株式会社グランビスタ ホテル&リゾート(本社:東京都中央区、代表取締役社長:須田貞則)の基幹施設である、鴨川シーワールド(千葉県鴨川市、館長:荒井一利)では、アマモ場のクラゲの世界をリアルに再現し、ひとつの水槽で複数種類のクラゲを展示する「藻場にすむクラゲ」の展示を開始いたしました。

 クラゲは、そのほとんどの仲間が刺胞(しほう)と呼ばれる毒針をもつため、別の種類のクラゲを同じ水槽で一緒に飼育するとお互いに傷つけてしまうことがあり、通常は1種類だけでの飼育(単独飼育)をすることが基本とされています。ところが藻場にすむクラゲの中にはあまり泳がず、アマモやホンダワラなどに付着して生活する仲間がおり、今回の展示ではそれらのクラゲたちをひとつの水槽で飼育することにチャレンジしています。

 当館では毎年3月中旬からアマモ場やガラモ場(ホンダワラ類の群落)にクラゲを求めて調査を実施していますが、今年は4月下旬頃に「カギノテクラゲ」や「ムシクラゲ」が現われ、展示可能な数のクラゲ採集に成功したため、特別に期間限定の展示公開となりました。

 非常に強力な毒を持つことで知られ、カギ状に折れ曲がった触手をもつ「カギノテクラゲ」や、体の中から稚クラゲを出して増える「コモチカギノテクラゲ」、ほとんど泳がず、ラッパのような細長い緑色の体の先にある足盤と呼ばれる吸盤で付着し、移動するときにはイモムシのように体をくねらせて動く「ムシクラゲ」、50本もある触手や体が、蛍光ピンクや黄色・緑色とカラフルで花笠を連想させ、夜行性で小魚なども捕食する「ハナガサクラゲ」の4種類が水槽内のアマモの中で環境に溶け込むように生活し、じっくりと覗き込むほどにクラゲたちの生活の息吹が感じられます。

 本展示はエコアクアローム内「クラゲライフ」で、6月末までの期間限定でご覧いただけます。藻場にすむクラゲたちの小宇宙をお楽しみください。

(生物の状況によっては、展示期間が変更となる場合があります。ご了承ください。)


【「カギノテクラゲ」について】
英名:Hydrozoan jellyfish
学名:Gonionemus vertens
カサの直径が1〜2pほどの小型のクラゲ。カギ状に折れ曲がった
触手を持つ。刺胞には非常に強力な毒があり、大量に刺されると危険である。カサを上部から見ると茶褐色をした生殖腺がある。常に浮遊しているわけではなく、主にアマモやホンダワラ類に付着して生活する。春から夏にかけて日本各地の藻場に姿を現す。

【「コモチカギノテクラゲ」について】
英名:Hydrozoan jellyfish
学名:Scolionema suvaense
カサの直径が0.5〜1pほどの小型のクラゲ。「カギノテクラゲ」同様にカギ状に折れ曲がった触手を持つ。名前の由来のとおり、体の中から稚クラゲを出し、数日で十数個体まで増える。常に浮遊しているわけではなく、主にアマモやホンダワラ類に付着して生活する。春から夏にかけて日本各地の藻場に姿を現す。

【「ハナガサクラゲ」について】
英名:Flower hat jellyfish
学名:Olindias formosa
カサの直径が10〜15pほどのクラゲ。体と触手の一部が蛍光ピンクや黄色、緑色を帯び、非常にカラフルで花笠を連想させる。50本ほどの触手があり刺胞には強い毒がある。昼間は海藻や岩などに付着していることが多いが、夜になると動き出す。本州から九州で見られる。

【「ムシクラゲ」について】
英名:Staurozoan jellyfish
学名:Stenoscyphus inabai
カサの直径が1cmほどの緑色で小型のクラゲ。ラッパのような細長い形をしており、ほとんど泳ぐことはなく、足盤と呼ばれる吸盤で、海藻などに付着して生活している。移動する際は、イモムシのように体をくねらせて移動する。春から夏にかけて日本各地の藻場に姿を現す。