第27回 森から離れた流浪の民
昔は多くの人が森に入ったという。山を治め、水を治め、木の葉や下草を田畑に入れ、裏山の木を伐りだして家を建てた。家は子々孫々受けついでいく。山で100年たった木を木材に使えば、家も100年はもつ。「日本人は流浪の民になった」と武山さんはいう。だから住宅も100年もつ必要がない。安価な外材におされて、森林所有者も森に入らなくなった。 森を放置するとどうなるのか?森は本来の野放図な力をよみがえらせる。そして天候の変化などで突然森が壊れたりするのも、自然淘汰のサイクルから見ると、意図的な現象だという。 「人間が森を借りている。いろいろ迷惑かけるけど、あんまり暴れないでね、といったところです」。 森林組合の仕事は、森の時間サイクルに合わせなければならない、という。100年が森のサイクルならば、人間の都合は3年、5年で物事をきめていく。いま、とにかく森を放棄してはならない。
取材に南房総市和田町黒岩の安房支所を伺ったとき、ガラス茶碗にそそがれた冷水が出た。中に青い山椒の実のようなものが数個入っている。これは、5、6月頃にビンを洗うタワシのような白花を穂状につけるウワミズザクラの実の塩漬。
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