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南房総 旅の玉手箱

第24回 巨乳がいいわけでは、ない。


茶のホルスタインが好き
だと いう佐野健一さん
 南房総市大井には、日本酪農の発祥地「酪農のさと」がある。ご存知暴れん坊将軍(?)徳川吉宗公が、インドから白牛はくぎゅうを輸入し、嶺岡山系で飼育、白牛の乳を煮つめて「()」などをつくった。当時、乳製品は薬で強壮剤や解熱剤として使われた。明治乳業、雪印乳業、森永乳業も、ここ南房総市から北海道などに事業を広げていったのだ。
 「酪農のさと」から館山方面へ車で5分、佐野健一さん(50才)の、サノ・ファームがある。現在ホルスタイン40頭、ジャージー5頭、ブラウンスイス3頭を飼っている。祖父の代は2〜3頭、父の代はトウモロコシをつくり牛のエサにしていたが、自分はエサすべてを購入しているという。搾乳も機械搾りである。3千万円程のシステムを買えば、牛は乳房がいっぱいになると勝手に、搾乳所へ入り機械に搾られて帰って来る。例は悪いが、人間が公衆トイレにいって用を足すようにだという。
 雌牛は出産しなくてもいつも乳が出るものだと思っている人もいる。私も佐野さんが「牛は4本、ヤギは2本」と言ったとき、初めて乳房の数を正確に知ったのだ。
 サノ・ファームではアイスクリームをつくり高級ホテルにだけ出している。原料のミルクは、こだわりのブラウンスミス種のもの。乳蛋白が多く脂肪のツブが小さい。アイスクリームを口に含むと舌ざわりがさらっとしているわりには、味が深い。
 良い牛とは、と佐野さんはいう。「牛は循環器系が大事な動物、心臓を圧迫しない立派な胸と腹を持ち、四本の足の角度が良く、乳房の地面からの高さがほどよいこと。乳が大きすぎて自分の足で踏んでしまうようなのは、ダメ」(巨乳がいいというわけではないのね・・)
 朝から晩まで牛にしがみついているような経営はしないという。自由時間には、趣味でオームの繁殖をやっている。オームが好きだという。酪農家は、大変そうに見えるが、どうやって奥さんを射止めたのか聞くと「ハイ、自分はモテるもんで」ときた。
 佐野さんのモットーは、規模の拡大ではなく「継続」である。いま24才のご長男も一緒に働いている。

おいしいアイスクリームの素、
ブラウンスイス種の小牛

「酪農のさと」に行けば
見られる白牛(はくぎゅう)


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