グルメ

「平群フードフェス」で、まだ見ぬ房総の食材・料理・文化に出会う

伊予ヶ岳の麓にある複合施設の「HEGURI HUB(へぐりはぶ)」。普段はコワーキングスペースやゲストハウス、カフェなどとして活用され、サイクリストや観光客、地元民で賑わっています。

「HEGURI HUB」では定期的にマルシェも開催され、5月17日(土)には「房総の食」をテーマに「平群(へぐり)フードフェス ~房総の食~」が開催されました。地元で採れた食材や、それらを使った料理などが並び、当日は雨にもかかわらず大盛況となりました。

なんと、いいとこどり取材班も出店!今回は当日の様子や、南房総にまつわる食材や料理の魅力をお届けします。

目次

今回の「平群フードフェス 」のテーマは「房総の食」

あいにくの雨だが、予想以上の来客数

「平群フードフェス 」は今回で2回目の開催。「HEGURI HUB」では約3年前から定期的にマルシェを開催し、少し変化を加えて2024年から「平群フードフェス 」が始まりました。

前回とても盛況だったことを受けて、2回目の開催が決定。テーマを「房総の食」と掲げ、コンセプトを「みんなで今後の房総の食について考えよう」としました。

南房総の郷土料理体験「提げ重(さげじゅう)パーティー」の様子

「房総の食」にまつわるワークショップも開催されました。南房総の郷土料理体験ができる「提げ重(さげじゅう)パーティー」には事前予約が殺到。「提げ重」とは、主に江戸時代に用いられていた持ち手の付いたお弁当箱のことで、房総では近所の人たちが提げ重に得意料理を入れて持ち寄って食べていたのだとか。時代を超えて、「提げ重」をきっかけに交流が生まれていました。

「平群フードフェス 」主催の高木さんは、「イベントをきっかけに郷土料理に関心を示してくれたら嬉しい。今後はマルシェとフードフェス、半々の頻度で継続していきたい」と語ります。来年には「HEGURI HUB」の隣に新たな公園が出来上がる予定で、その公園での開催も目指しているそうです。

HEGURI HUB
千葉県南房総市平久里中224−3
0470-58-0312

編集部は、「さんが焼きバインミー」を販売

取材班も出店!

今回はいいとこどり取材班は、バインミー屋を出店しました!

さんが焼きとフランスパンを焼いて準備中

バインミーはベトナムのサンドイッチ。今回の出店では、南房総の名物であるさんが焼きをサンドしたスペシャルバインミーを販売しました。さんが焼きは新鮮な地魚に、葱・味噌・生姜・大葉を混ぜて焼いたもの。今回は青倉商店の「伏姫さんが焼き」を使用しました。

さんが焼きバインミー(手前)・ベトナムバインミー(奥)

さんが焼きの滋味深い味とパクチーのわずかな苦味、酢漬けの野菜たちがベストマッチ!ありがたいことに40食ほどを購入いただきました。

地元の中学生にもご賞味いただきました

雨だからと鷹を括っていましたが、予想以上の来客に終始あわあわ。とても良い思い出となりました。今回の反響を受けて、またどこかで出店するかも…?

房総のこだわりの食材・料理に出会う

一部の出店者をご紹介します!

花菓子PETAL

彩りの豊かさに目を奪われる「南房総まるごとクッキー」

こちらは南房総の食材をふんだんに用いた「南房総まるごとクッキー」を販売する「花菓子PETAL(ペタル)」。クッキーに使用している食用花は、カーネーションやカレンデュラ、バーベナ、マリーゴールド、タイムなど南房総の特産の花が中心。作り手の加藤さんが自宅で栽培した花や葉を、押し花やドライフラワーにして使用しています。

メレンゲには「百姓屋敷じろえむ」の平飼い卵や、生地の中には「木村ピーナッツ」のピーナッツや南房総市産のレモンなどを用い、地元の農家や会社の食材をたっぷりと使っています。

「南房総まるごとクッキー」は、通常のクッキーの5〜10倍の手間がかかっているといいます。花の栽培から始めるため、3か月の期間が必要です。花の飾り付けはとても細かい作業で、3人がかりで1日200個が限度。飾り付けが終わる頃には、目と手が疲れ果てているのだとか。

ビーツのクッキー。この赤色を出すのに1年以上かかったそう
作り手の加藤さん(左)と鈴木さん(右)

華やかな見た目の「南房総まるごとクッキー」は、結婚式の引き出物やギフトにもよく選ばれています。ある新婚カップルの結婚式には、ハート型のバーベナの花びらを装飾したクッキーを提供したそう。

また、「南房総まるごとクッキー」は南房総市のふるさと納税の返礼品や、「ESSEふるさとグランプリ2024総合グランプリ」にも選ばれています。南房総市の道の駅でも販売中です。

花菓子PETAL
https://www.instagram.com/hanagashi_petal/

Farm Salud

虫の食べた跡は無農薬の証

「Farm Salud」は南房総市の岩井地区で不耕起栽培・無農薬で野菜、果樹、家畜、キノコ類などを作っています。スーパーでは見かけない作物がずらり。

「Farm Salud」の主催者の坪谷さんは元々放棄地と空き家だった場所を借りて、一人で小さな農園を始めました。環境問題や社会問題に関心があり、自分ができることは何か考えた末に農業にたどり着いたそうです。食はすべての人に関係のあることで、食を通して環境問題や社会問題の解決にアプローチできたらと考えます。

「みなさんにもっと食に関心を持ってもらいたい」と語る坪谷さん

「Farm Salud」では、無農薬栽培などに興味がある人たちにレクチャーも行っているそうです。

Farm Salud
https://farmsalud.stores.jp

須藤牧場

須藤牧場の須藤さん

館山で100年以上続く須藤牧場。乳牛を広々とした放牧場で放し飼いし、与えている餌は自社の畑で作付けして作った発酵飼料。牛は本来ストレスに弱い生き物のため、できるだけストレスフリーな環境で育てることで、上質な味の牛乳を絞ることができると言います。

看板商品は「ジャージー牛乳」。ジャージー牛は、日本全体の乳牛の内わずか1%程度の貴重な品種です。ジャージー牛から搾乳できる牛乳の量は他の品種の半分ほどしかなく、その分、栄養価や脂肪分も凝縮されているため濃厚で甘い味が特徴です。後味はあまり口に残らないため、牛乳が得意ではない方が飲める場合もあります。

「ジャージー牛乳」は濃くて甘いのが特徴

「ホルスタイン&ジャージーブレンド牛乳」も人気です。普段スーパーなどで見かけるのが、ホルスタイン牛の牛乳。牛乳の味がしっかりする、飲みやすい牛乳です。須藤牧場の牛乳は低温保持殺菌で処理されているため、本来の風味や栄養素が損なわれることなく味わえます。

「生シェイク祭り」では各店限定の生シェイクを販売 ※写真はイメージです。

須藤牧場は6月1日(日)〜10月31日(金)まで、千葉県中の飲食店と提携して「生シェイク祭り」を開催します。須藤牧場のジャージー牛乳のアイスクリームを使って、約70店舗の飲食店がオリジナル生シェイクを販売。スタンプラリー形式で、スタンプを3つ集めると抽選で景品が当たるをもらえます。

須藤牧場
千葉県館山市安東337
0470-28-4035
https://www.sudo-farm.com

まとめ

房総ゆらいの料理を囲んでわいわい

雨にもかかわらず、賑わいを見せた「平群フードフェス ~房総の食~」。

房総の食は奥が深く、人々を魅了する食材と料理がまだまだたくさんあることを実感しました。また、食を囲んで交流する時間はとても豊かであることを再認識。「美味しい料理を囲んで交流する文化」が絶えないことを願います。

「HEGURI HUB」では定期的にマルシェやフードフェスを開催しているので、ぜひ旅行の際に足を運んでみてください。

HEGURI HUB

HEGURI HUB(へぐりはぶ)
千葉県南房総市平久里中224−3
0470-58-0312

料理人

ライター
しぶちこ
鮮魚店の家に生まれた海鮮グルメ番長。
特技は、まぐろ解体や、鹿、猪も^^

ライター紹介

ライター
吉田櫻子
フリーランスのライター・ディレクター。アパレル店店長と副業ライターを経て、独立。大手人材会社の社員紹介ページやSDGs系のメディアなど幅広く手がける。