南房総富浦総合ガイド資料集
大房ガイド手本 大房ひとくち紹介

大房岬は、東京湾に突き出た、高さ80メートルの台地状の岬です。

展望台からの眺めは、とてもすばらしく、晴れた日には、対岸の三浦半島や伊豆大島、富士山も見ることができます。

東京湾の入口ということは、首都・東京を守るために、外部の敵を未然に防がなければなりません。

そのため、幕末から第二次世界大戦までの約90年間、大房は軍事施設として、重要な拠点とされてきました。今でも、その跡が数ヶ所残されています。

それ以前の大房は、と言うと、ここには約一万年前から人々が住みついていたようです。石器や土器の破片が発見されていますが、近代軍事施設の工事や公園施設整備のため、いろいろ掘り起こされたりして、詳しい様子はわからなくなってしまいました。
大房の歴史がはっきりしてくるのは、今から約1300年前に、役行者が不動明王を安置し、大宝寺というお寺を開いたのが始まりとされています。

それは大武佐不動縁起という、江戸時代に書かれた文書によるものです。

その後、慈覚大師が来て、竜善院を開いたり、平安時代になると、安房の国司として着任した源親元が、七堂伽らんを備えた立派な寺に建て替えました。

戦国時代には、結城合戦に敗れて、安房へ落ち延びて来た里見義実が、大房不動に武運を祈願した話も伝えられています。

このように、大房は千年以上もの間、信仰の地として神聖な場所で、お参りに来る人々で賑わい栄えていました。
画像
大房岬の開祖・役行者