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美味 くじら 和田の味 くじら

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南房総の太平洋岸、外房に位置する和田は、知る人ぞ知る「くじらの町」。

日本全国でわずか4ヵ所しかない捕鯨基地の一つである和田漁港には、毎年6月末〜8月末にかけて26頭のツチ鯨が水揚げされる。

和田の人々にとって鯨は、生活に根付いてきた「ふるさとの味」であり、「母の味」でもある。南房総和田の郷土の味覚と、それをしっかりと守りつづける人々に迫った。

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「鯨って、食べられるの?」という若者たちの言葉を、最近しばしば耳にすることがあるが、戦後の食糧難、そして高度成長期においては、鯨は子どもたちの貴重なタンパク源の一つで、鯨肉は学校給食の中でも人気のメニューだった。
 関東唯一の捕鯨基地「和田漁港」がある南房総和田町は、鯨漁期(6月末〜8月末)に捕獲された鯨の解体が港で行われ、この時期は町全体が一年でいちばんの活気につつまれる。ナギナタのような大きな鯨解体用の包丁で豪快に解体された鯨がその場で売り買いされるのも、和田ならではの風景であり、この季節の風物詩だろう。町のあちらこちらでは、手のひら大にスライスした鯨肉を特製のタレに漬け込み天日干する「くじらのたれ」づくりも見られる。なんでも江戸時代から伝わる南房総を代表する伝統食として地元で親しまれ、和田から房総半島最南端の白浜を結ぶ「くじらのたれ街道」が存在するという。「酒の肴には、やっぱりタレがいちばん」と、地元の漁師たちに言わしめるほどだ。

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 鯨の食文化が根付いている和田町では、もちろん「くじらのたれ」のほかにも、かつて学校給食で親しまれた「くじら竜田揚げ」をはじめ、鯨の旨味をそのまま味わえる「くじら刺身」、赤身を甘めの味付けでソテーする「くじらステーキ」、薄い塩味が効いた「くじらベーコン」、さらに「しぐれ煮」「くじら汁」「ユッケ」「カツ」「コロッケ」「焼肉」「お寿司」「お菓子」「サラダ」など…。いつ訪れても、本当に多彩な鯨料理を堪能できるのも魅力だ。
 近年の日本人の食文化の西洋化や嗜好の多様化の中で、こうした鯨食文化の継承を後押ししているのが、「和田浦くじら食文化研究会・おかみさんの会」。くじらの町・和田でさえも、鯨料理が暮らしの中から少しずつ姿を消しつつある。
 そんな状況に危機感を感じ、飲食店・お土産処・宿の女将たちが立ち上がったのだ。最近では「鯨タンシチュー」といった新しいレシピの開発も試み、より多くの方々に鯨を食べてもらえるような活動に積極的に取り組んでいる。
 鯨は、知れば知るほど奥が深い。噛めば噛むほど味わい深い。健康食材として今あらためて注目されている鯨、鯨を愛してやまない女将さんたちの今後の活動、そして今回の旅で味わう鯨料理。すべてが楽しみでならない。

「和田浦くじら食文化研究会・おかみさんの会」加盟店

2015/06/29 観光プロモーション課

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