季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2014年11月14日 宿屋の女将のメルマガ 第347号

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     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2014.11.14発行 第347号
                           
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◆ 七転び八起き ◆


台風18号・19号が襲来してから、早くも1ヶ月です。

紋屋に残された爪あとは、まだまだ大きいのが現実です。

被害の出た部屋は、土曜や連休の時ももちろん使えないため、

売り上げ的に非常に厳しいのです。



修復も、この地方に多くの被害が出たためになかなか進まず、

しばらくは雨がふるたびに心配しなくてはならない日々が続きました。

今も予想しないような工事中のトラブルに見舞われ、

配管を傷つけてしまったとかで、濡れていない部屋が水漏れしたり、

また新しくするためにダメに成った部屋の解体があり、

そのたびにいろんな配管から溜まっていた水が落ちてきたりと忙しい。



やっと7割程度屋根ができたと思っていたら、また集中豪雨にあって、

まだ屋根がない部分の天井が落ちてしまい、

多くのお客様にご迷惑をおかけする事になりました。



被害にあった部屋に据え付けてあるエアコンが実際は機能するのか、

つけてみなければわからないそうです。

工事の都合でしばらく使わなかった部屋も、やはり何らかの工事の関係で

電話やトイレのウォシュレットなどが復旧しないなど、

天災の被害の届けを出すにも、出しきれない部分が多すぎます。



   普段、こんなに長いこと多くの部屋の備品などを

   しまっておくことはないので、その置き場所にも困り、

   工事のために頻繁に動かすという手間もあります。

   せっかくできたベビールームに、

   多くの使えない部屋の備品が入っているために、

   お客様にお使いいただけない状態にあり、

   ご不便をおかけしています。



本来なら、荷物は裏の寮に運ぶところですが、

寮も大きな被害を受けて入れないような状態にあります。

私達がお昼ごはんを食べるための休憩室も、

しばらく電気がつきませんでしたし、

エアコンもやっと数日前に使えるようになりました。



それでも、とりあえず新しくできる予定の部屋づくりを話しあい、

廊下の壁紙、天井のクロス、カーペットなどを選んでいると、

少しは明るい気持ちになってきます。



   工事の進み方が遅いなら、それは仕方がないことですし、

   いつまでもショックを受けているわけにも行きません。

   みんなで力を合わせて努力を続けるしかないのです。



たまたま今までずっと長く勤めてくれていたスタッフが一人去り、

当然人手不足に陥るところですが、

使えない部屋があるために何とかなっています。

そういう意味では有り難い災難です。



ずっと古いままの部屋が新しくなる。

その工事自体もお正月に間に合わないそうですが、

それでもその後に出来上がるものに対する期待や喜びも味わえます。



   この宿に嫁に来てから問題は山積みでしたが、

   嫁いだその時でさえ、

   すぐに何とかしなければと思う古い部屋が新しくなるのです。

   2階の共同トイレがいつまでも昔のままで、

   それもものすごく嫌なことの一つでしたが、

   今回やっと2階のトイレが新しくなります。

   旧式なお部屋もなくなり、

   「お許し下さい」に書くことが少なくなります。

   本当に不幸中の幸いです。


ただし、想像以上にお金がかかるようで、心配はつきません。



設計士の先生には、

   「お二人は強い。

    私だったらもう打ちのめされて動けなくなっている」と

いわれましたが、正直本当に相当なダメージでした。

本当はちっとも強くありません。


それでもなんとか元気を出そうと頑張れるようになったその原因は、

なんといっても励ましてくださるお客様のおかげです。



   中には、お菓子やお見舞金を送ってくださる

   貴重なお客様もいらっしゃいます。

   メールを拝見すると、

   こらえていたものが取り払われるように涙が出てきますが、

   このお客様方のためにほんとうの意味で、

   元気を取り戻さなくてはと思います。



おなじみ様からのご予約も皆様心配しながら戴いておりまして、

心からありがたいと実感します。



自然の脅威には計り知れない物があり、

その前では私達はなすすべもなく、

起きたことを認め、七転び八起きでやり直すしかありません。



   日にちが進めば、ほんとうに美しいこの自然。

   秋はとくに夕方が美しいです。

   燃えるような夕方の風景に見とれるとともに、

   この美しさの裏にはあの恐ろしさもあると感じます。



私達は地震国に住み、火山の恩恵を受けながら生活もしています。

いつ牙を剥くかわからないこの美しい景観を慈しみ、

何が起きてもまた、一からやり直す。

それもすべては人と人との温かい交流があるからできることだと

実感しました。



おなじみ様はじめ、

フエイスブックのお友達や知り合いの方々の励ましは、

とても大きいものです。人として生まれてよかったと思いました。



   本当にみなさまありがとうございます。

   起きることには意味があり、それを乗り越えることによって、

   成長するようにできているとか。

   またその乗り越え方によって成長の度合いも違うそうです。



いつも、まだまだ人間ができていないと感じる私ですが、

これからも、よろしくお願いいたします。




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 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆

台風被害は、当初考えていたより遥かに重症で、

工事屋さんには「ほとんど全壊ですよ」とすら言われた。

そんな状況下、限られた面積の中で新たに造っていくのは楽しくもあるが、

改修場所の色や素材の選択はほとんど家内任せ。

仕上がりがどうなるか楽しみ♪〜

                           (by aruji)