いいとこどりニュースイベント観光施設地図交通ライブカメラフォトバンクおすすめコラムマイプラン作成 観光パンフレット
トップ > 目的で探す > 見る > 南房総の名所 > 房州低名山(ぼうしゅうひくめいざん) >

房州低名山(ぼうしゅうひくめいざん)

エリア >

ニュース・お知らせ
クリックで写真拡大
人骨山ルート

狭い頂でも視野は広く

2013年2月14日
◎人骨山(ひとぼねやま)(鋸南町) ○ランク★★

 津森山から下山。鋸南町大崩の小字・畑と鴨川市の小字・法明の境。ここからは西に向かい、おどろおどろしい名の人骨山へ向かう。国土地理院の三角点があり、標高は292.6メートル。房州の諸山の中では存在感が薄いが、その名といい、山容といい、ぜひ勧めたい山だ。
 切割を西に進み、下り坂を歩く。右に初めて民家が見えるから、ここを鋭角的に左に折れる。眼下に何軒かの家がある。左右に民家を見て、左に犬のほえる家があるから、ここを右に折れる。両側が水田で、護岸した小川があり、ここで二股に道は分かれる。ここに板にフェルトペンで「人骨山」と書いた小さな看板があるので、迷わず直進する。右手にスイセンの斜面があり、急な上りとなる。
 人骨山頂への分岐になると、急登の尾根道を行く。やめた馬の背のような道で、途中、1か所分岐があるが、赤いテープがある右を選び、そのまま上へ。この分岐さえ誤らなければ、馬の背をひたすら登ると、山頂に着く。
 やがて狭い頂きに出る。三角点が置かれ、展望もいい。スイセンでおなじみの江月の山並み、遠くは浦賀水道、富山、伊予ヶ岳、御殿山からの連山、県内最高峰愛宕山まで見渡せる。植生も落葉広葉樹なので、冬場は景色が最高だ。しばし、ここで眺めを楽しむ。
 そのまま急な下りを降りる。
 人骨山中腹の尾根道を南へ下る。かつてはやぶこぎをするようなひどい道だったが、地元の山愛好家らが、ナタでやぶを切り、道を開いたという。急な下りだが、足がとられることもなく、しばらく行くと、かつては水田だった谷の湿地帯に降りる。そのまま行くと、轍の道があり、自然薯を掘った穴も残る。シーズンになれば、誰かが山へ分け入るのだろう。
 やっと舗装道路に出ると、上り坂だった。
 坂の頂上の一軒家を左に見て、再び山へ分け入る。イノシシ除けのトタンをまたがせてもらい、北へ向かう。
 獣道のようだが、実際には人が歩く道である。谷筋の細い道を気をつけながら進む。集落と集落を結ぶ道だ。かつては隣の集落へ人々が行き交ったのであろうが、現在はひどく荒れてしまっている。
 大崩の町道に戻る。舗装道路へ出たのが久しぶりと感じる。そのまま、車の場所まで戻る。津森山と人骨山で計3時間20分の山行だった。
 最後になるが、山名の由来を記そう。人骨とは何とも恐ろしい名である。説は3つあって、@昔、鬼が棲んでいて、人身御共の若い娘を骨にしてしまった。だから集落の人は今も、節分で「鬼は外」とは言わない。鬼がすぐそばにいたからだ。A姥捨ての風習があり、60歳になると、この山へ連れてこられた。山には捨てられた老婆の骨がある。B戦国時代の「火とぼし(灯し)山」だった。山頂で狼煙を上げれば、すぐに遠方に伝わった。火とぼしが訛って人骨になった。
 以上が3説だが、筆者としてはBをとりたい。鬼も姥捨てもあまりにも非現実的。第一、山頂には鬼が棲むスペースも、姥を捨てる場所もない。視界良好なことから、火とぼしの方が理にかなっている。
(2005年2月5日登山)
| 一覧へ | | 次へ> |
関連記事記事タグ:料金・基本情報