第5回 枇杷は、薬の王様。
長崎の「茂木ビワ」が西の横綱とすれば、ビワ北限の地「房州ビワ」は東の横綱である。お釈迦様の教えを説いた「 ビワ茶のつくり方は簡単。ビワの若い葉より3年目ぐらいの濃いグリーンの葉を5枚ほど用い、葉の裏のうぶ毛をタワシで取り除く。そのままヤカンに入れ3分の2まで煮つめたら、適時お茶がわりに飲む。ビワの葉を直接患部に貼れば痛みが軽減する。捻挫やガンの痛みにも効果を示す。さて肝心のビワの実には、食べかたがある。ビワの実は栽培家が一つひとつ袋をかけて手の中のヒヨコのように育てる。農薬は使わない。出荷のときも手で直接実に触れないように注意する。ビワの命は表面のうぶ毛にあるからだ。ビワの実を食べるときは、洗ったり冷やしたりせずに、ヘソから皮をむいて「ガブリ」が基本。 枇杷は、実の形が楽器の琵琶の形に似ているので名づけられた。琵琶の起源はペルシャで、中央アジアの遊牧民が馬上で引き鳴らしたもので、ビィン、パアーンとかきならすのでピパ。比巴の文字をあて、胴が木製なので木へんをつけて枇杷となった。
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