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南房総 旅の玉手箱

第5回 枇杷は、薬の王様。


房州ビワは「献上枇杷」として
皇室にも献上される
 房州ビワの名産地・南房総市の南無谷なむやは、鎌倉時代、日蓮上人が布教のため海路鎌倉へ渡る折り、シケに会いこの地にとどまったという。その時に上人を手厚くもてなしたのが今のビワ栽培家たちの先祖であった。南無谷の地名の由来である。

 長崎の「茂木ビワ」が西の横綱とすれば、ビワ北限の地「房州ビワ」は東の横綱である。お釈迦様の教えを説いた「涅槃経ねはん」の中に「大薬王樹は、枝、葉、茎ともに大薬なり。病者は香をかぎ、手に触れ、舌で舐めて、ことごとく諸苦を治す」と記されている。この大薬王樹とは枇杷のことなのだ。ビワの葉には多くの薬効成分が入っている。中でもアミグダリン(ビタミンB17)の含有は、ガン、肝硬変、糖尿病などに効くといわれる。サポニンという成分もぜんそくやせきの症状をやわらげる。

  ビワ茶のつくり方は簡単。ビワの若い葉より3年目ぐらいの濃いグリーンの葉を5枚ほど用い、葉の裏のうぶ毛をタワシで取り除く。そのままヤカンに入れ3分の2まで煮つめたら、適時お茶がわりに飲む。ビワの葉を直接患部に貼れば痛みが軽減する。捻挫やガンの痛みにも効果を示す。さて肝心のビワの実には、食べかたがある。ビワの実は栽培家が一つひとつ袋をかけて手の中のヒヨコのように育てる。農薬は使わない。出荷のときも手で直接実に触れないように注意する。ビワの命は表面のうぶ毛にあるからだ。ビワの実を食べるときは、洗ったり冷やしたりせずに、ヘソから皮をむいて「ガブリ」が基本。

 枇杷は、実の形が楽器の琵琶の形に似ているので名づけられた。琵琶の起源はペルシャで、中央アジアの遊牧民が馬上で引き鳴らしたもので、ビィン、パアーンとかきならすのでピパ。比巴の文字をあて、胴が木製なので木へんをつけて枇杷となった。


日蓮聖人ゆかりの南無谷海岸


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