「コブダイ」・「オイランヨウジ」の繁殖賞を受賞
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■魚類2種 日本で初めての繁殖に成功!
2016年5月27日
株式会社グランビスタ ホテル&リゾート(本社:東京都中央区、代表取締役社長:須田貞則)の基幹施設である、鴨川シーワールド(千葉県鴨川市、館長:荒井一利)では、「コブダイ」・「オイランヨウジ」の2種類の魚類について、公益社団法人日本動物園水族館協会から繁殖賞を受賞いたしました。
「繁殖賞」とは、動物園や水族館に飼育されている動物で、今までに繁殖例がないものが施設内で繁殖し、赤ちゃんが6ヶ月以上育成した場合に、詳細の飼育データを提出し、審査の上認定されるもので、『日本で初めて繁殖に成功した証し』として日本動物園水族館協会より授与されるものです。当館では1970年10月のオープンより7つの繁殖賞を受賞してきましたが、今回の「コブダイ」と「オイランヨウジ」の2つの受賞は、2003年誕生のカスピカイアザラシおよびバンドウイルカ(人工授精)の繁殖賞受賞以来12年ぶりの受賞となりました。
「コブダイ」と「オイランヨウジ」の幼魚は、現在トロピカルアイランド コーラルメッセージ内特設コーナーに展示され、元気に育つ姿を直接ご覧いただくことができます。
【コブダイ】 日本では本州以南で見られる最大級のベラの仲間で、オスの体長は1mほどになる。メスが性転換し、オスになることが知られている。オスは成長にしたがって額の膨らみとあごの厚みが顕著となり、その姿が名前の由来となっている。 エコアクアローム内の他の魚も一緒に飼育している大水槽で数年前よりコブダイのペアが産卵・放精を初めてから、数年かけて産卵の時期・時間・オスとメスの行動パターンを調査し、2015年5月15日の産卵で採取した約6000粒の卵より浮遊性の性質を示す20卵を選別。そのうちふ化した10尾を、水流を考慮したオリジナルの水槽で飼育し、その中の1尾が長期育成に成功。また、その後の産卵でも複数の稚魚が育ち、長期育成の手法が確立されつつある。
【オイランヨウジ】 日本では、静岡県以南の岩礁域やサンゴ礁で見られる体長20pほどのヨウジウオの仲間。体は細長く、暗色横帯(シマ模様)があり色あざやかな赤い尾ビレの中央に白い斑点があるのが特徴。 成熟すると月に1〜2回の産卵が見られ、オスは腹部に100粒ほどの卵を抱え、ふ化するまでその卵を守る。卵は約10日でふ化し、体長約6mmの稚魚が誕生する。稚魚の育成は難しく、国内での長期育成例の報告は知られていない。稚魚にはシオミズツボワムシやアルテミアなどの動物プランクトンを与えて育てるが、ふ化後1ヶ月頃からのエサの選択が難しく、育成の分岐点となっていた。エサとなるアミ類を飼育し、オイランヨウジの稚魚が食べられる大きさのアミ類の幼生を繁殖させ、エサとして安定供給したことが長期育成のひとつのカギとなり、現在は2世代目の繁殖を目指して 飼育に取り組んでいる。
【繁殖賞受賞動物一覧】 @1973年 6月 ハマクマノミ A1977年 5月 イバラタツ B1981年 8月 オーストラリアアシカ C1994年 6月 セイウチ D1998年 1月 シャチ E2003年 4月 カスピカイアザラシ F2003年 7月 バンドウイルカ(人工授精) G2015年 3月 オイランヨウジ H2015年 5月 コブダイ
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