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富浦エコミューゼ研究会

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深名山岸の大日如来像。人々の暮らしを見守るかのように鎮座しています

267ウォッチング石仏と民話の里・深名を歩く

2014年11月10日
11月のウォッチングは、石仏などの石造物の多く残る富浦・深名地区を、地域に伝わる民話を聞きながら散策しました。
深名・山岸はようやく圃場整備が始まり、新たに伸びた農道を進むと、田んぼの中に大きな石燈籠が見えます。その手前を山側に入ると出羽三山の碑が建立されています。富浦地区にある4ヶ所うちの一つです。碑の前に祀られる大日如来像は雨風の影響が少なく、とてもきれいなまま残っています。ここでは、この奥に昔あった文殊菩薩を本尊とした般若寺の『文殊のお釜』の話を聞きました。すぐ近くの小高い枇杷畑の先には役行者の石像が祀られ、深名と青木のまちを臨んでいます。
次に向かったのは、富浦で一番古い庚申塔。今は個人の枇杷畑に建っていますが、昔は人々が多く行き交う道だったそうです。庚申信仰にまつわる『三尸(さんし)の虫』と庚申講の話を聞きました。
庚申塔の枇杷畑を下がると、丹生川にかかる腰廻橋があります。この場所は地元では『ザーザンボ』と呼ばれています。ザーザーと大きな音を立て、崖の下の堀に堰の余り水が落ちていたので『ザーザン堀』からその名が付いたそうです。大きな水の音は昔の人々を怖がらせ、夜には狐に化かされる話などを聞きました。
最後は、もう一つの出羽三山の碑が残る御霊(ごりょう)神社の跡地へ向かいました。ここには『御陵様の松』のお話しが残っています。ここには、千年を数える松の大木があったそうです。ある時、大きくなりすぎて害が出ないようにと、地元の人たちが山師に売り切り倒してしまいました。すると悲鳴のような音とともに松の幹から白い竜が天に舞い上がったそうです。間もなく、山師は死んでしまい、地元の人々も病気になったということです。
帰り道はバイパスを歩きました。道路や建物は進化をしていきますが、まちの中には、ひっそりとですが、昔から変わらないものが残っています。信仰は簡素になったり、途絶えかけてはいますが、石仏やそこに残された昔話には大切な教えがあります。
参加者の皆さんには、そんな思いを感じてもらいながら帰路につきました。